2023年04月14日
2023年 第14週
(令和5年4月3日~令和5年4月9日)
【今週の注目疾患】
■梅毒
2023 年第 14 週に梅毒の届出が 16 例あり、2023 年の累計報告数は 114 例となった。
梅毒は 2021 年、2022 年と 2 年連続で年間累計報告数が 1999 年の現行感染症サーベイランス開始以降過去最多を更新した。
第 14 週における累計報告数 114 例は、2022 年第 14 週時点の累計報告数 75 例の約 1.5 倍であり、増加傾向が継続している。
2023 年第 1 週から第 14 週に届出のあった 114 例のうち、性別では、男性 83 例(73%)、女性 31 例(27%)であった。
年代別では、男性は 30 代が最も多く 27 例(27/83,33%)、次いで 40 代が 24 例(24/83,29%)、50 代が 14 例(14/83,17%)であった。
女性は 20 代が最も多く 15 例(15/31,48%)、次いで 10 代が 6 例(6/31,19%)、30 代が 5 例(5/31,16%)であった。
病型別では、男性では早期顕症梅毒第Ⅰ期(以下、第Ⅰ期)が最も多く 41 例(41/83,49%)、次いで早期顕症梅毒第Ⅱ期(以下、第Ⅱ期)が 23 例(23/83,28%)であった。
一方、女性では無症状病原体保有者が最も多く 12 例(12/31,39%)、次いで第Ⅰ期が 11 例(11/31,35%)であった。
2023 年は現時点で、先天梅毒の症例は報告されていない。
梅毒の感染経路は菌を排出している感染者との性器や肛門、口腔などの粘膜の接触を伴う性行為や疑似性行為によるものである。
予防としては、感染者との性行為や疑似性行為を避けることが基本となる。
コンドームが覆わない部分の皮膚などでも感染がおこる可能性があるため、コンドームの使用は完全ではないものの予防効果があることが示唆されている 1,2)。
早期発見・早期治療が重要であり、再感染を予防するため、パートナーもともに検査を受けることが推奨される。県では保健所において無料・匿名の検査を実施しているとともに、(公財)ちば県民保健予防財団への委託による検査を実施している。
感染が気になる方や不安なことがある場合には、活用されたい。
なお、最新の検査実施状況については、県ホームページ等でご確認いただきたい 3)。
■参考
1)国立感染症研究所:梅毒とは
>>詳細はこちら
2)厚生労働省:梅毒に関する Q&A
>>詳細はこちら
3)千葉県:梅毒が増えています
>>詳細はこちら
【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和5(2023)年4月12日更新)